京都の建築家プロ集団(大阪・滋賀・奈良・兵庫)のオープンハウス

建築家プロ集団 イベント報告・オープンハウス

 
< 東寺の住まい >
設計者 ATS造家設計事務所 奥田 敦
日時 平成18年11月5日  
所在地 京都市南区東寺町
 
オープンハウス当日は晴天に恵まれ、家を見学するには絶好の日和となりました。

敷地条件ですが、接道は東側で、車の行き来が途切れない前面道路から約30mほど奥に入り込んだ旗竿敷地となっております。そのため車の騒音は比較的気にならない環境ではありましたが周辺の隣家が当該敷地に迫っており、その厳しい条件の基、計画が為されました。

全景模型をご覧いただければわかりますが、接道面にはまず、駐車スペースがあり、そこを通り抜けて奥にエントランスが設けてあります。アプローチから玄関に向かう途中、まず目を引くのが東側に向かって大きく開いている窓です。東側の隣家は、事情により平屋の状態が保証されているため最初に奥田氏が建主様とこの敷地を見られたときに開いている東側に注目されたとのこと。こちら側からの確実な採光と視線の抜けが計算できます。大きな開口部は2階にあるリビングダイニングに設けられており、勾配天井のため高い位置から入ってくる自然光は非常に明るく快適な空間創りとなっています。

外観の構成はシルバーのガルバリウム鋼板と一部茶系統の弾性左官材、そして前面に押出すように横貼りされた米ヒバのバルコニー手摺で表情創りを行っており、その無機質と有機質な風合いが強いコントラストを生んで面白いファサードとなっています。(写真がなくてスミマセン)

あと1階の和室と浴室から望む坪庭も、スペースの有効利用を遂げながらも品位の向上に一役買っており、奥田さんの設計能力の高さを垣間見ることが出来ます。

この困難な敷地状況からも豊かな空間を生み出していける建築家に改めて敬意を表したいと思います。